研究課題
若手研究
ケミカルルーピングは従来型の触媒反応がもつ制約を克服しうるプロセスとして注目されている。本研究では、ケミカルルーピングにおいて最重要要素である酸素キャリア材を新たに設計し、既存のキャリア材を超える転化率および反応速度を実現することを目的とした。本研究で提案した新規酸素キャリア材料をケミカルループ型逆水性ガスシフト反応に適用したところ、既報の酸素キャリア材を大きく超えるCO2転化速度を示すことがわかった。種々のキャラクタリゼーションにより、反応メカニズムを明らかにすることができた。
触媒化学
ケミカルルーピングプロセスは、従来型の触媒プロセスがもつ様々な制約・課題を克服できる有望なプロセスであり、その最も重要な要素が酸素キャリア材の性能である。本研究で高性能酸素キャリア材の新たなコンセプトが実証されたことは、ケミカルルーピングプロセスの実現可能性を高める成果であるといえる。また、新規OC材は逆水性ガスシフト(CO2のCOへの転換)以外の化学反応へも適用が可能であり、ケミカルルーピングが汎用性の高いプロセスとして発展することが期待できる。