研究課題
若手研究
発電を示すCsPbI3ペロブスカイトのアルファ相を安定化するため、Geイオンをドーピングした。CsPbI3ペロブスカイトにGeイオンを20%ドーピングすると、90度の低温でアルファ相を生成でき、また、常温で安定化されることがわかった。一方で、CsPbI3が湿気に対して安定性が低いため、上層の正孔輸送材料にCuSCNを用いることで改善した。
物理化学
ペロブスカイト太陽電池は、火力発電に近い~10円/kWhの低コスト発電が期待されているが、耐久性が低いため改善が検討されている。CH3NH3PbI3ペロブスカイト結晶のCH3NH3+イオンの代わりに無機カチオンを導入したCsPbI3結晶を光吸収材に用いた研究が行われているが、イオンの分解は抑えられるものの、常温で相転移を起こし太陽電池特性が数時間から数日で低下する。そのため、本研究でGeドーピングを行い、相転移を抑制できたことはペロブスカイト太陽電池の実用化に向けて重要な知見である。