研究成果の概要 |
伝統的にエネルギー代謝の廃棄物と考えられていた乳酸が, 近年生体内でエネルギー供給(細胞間乳酸シャトル)の役割を果たしていることが明らかになりつつある。生体内における乳酸の役割をさらに詳細に検証するためには, 生体試料中の細胞外乳酸を高い時空間分解能で観察する方法が必要である。その観察方法を開発するため, 本研究ではタンパク質工学の技術を用いて, 第三世代細胞外乳酸蛍光バイオセンサーを創出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで細胞外の乳酸動態を観察する方法は, 血液を採取して生化学的に解析したり, 観察部位に乳酸反応性電極を挿入したりなど, 乳酸に関する時空間情報の欠如や生体に対する侵襲性が避けられなかった。世界で初めて細胞外乳酸を非侵襲的に, かつ, 高時空間分解能で観察することが可能なバイオセンサーを開発した, という点で本研究の成果は学術的に極めて意義がある。さらに, 乳酸は社会的な認知度・注目度も高いことから, 本研究成果である細胞外乳酸センサーを利用することでこれまで知られていなかった乳酸の新たな知見の発見につながる可能性がある点で社会的な意義がある。
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