本研究で申請者はまず、北海道大学病院にて膵がん患者ならびに健常対照者を対象とした臨床研究を実施し、68名から糞便・唾液検体を採取した。結果として我々は膵がん患者に特徴的な腸内細菌属を3属同定することに成功し、さらにメタボローム解析の結果これらの細菌が産生する代謝産物が膵がん患者の糞便中で顕著に減少していることを確認した。 さらに我々は本研究で、自身らで作出した、膵がん患者の中でも最も予後不良の患者群の遺伝子型である4遺伝子変異を模倣したショウジョウバエを活用し、上述の臨床研究で同定した細菌代謝産物が既存の抗がん剤の抗腫瘍形質効果を顕著に増強することを発見した。
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