本研究は、多様な縮環構造を有する Ganoderma 属真菌由来メロテルペノイドに着目し、構成パーツの連結と環化位置の制御による合成戦略の下、効率的かつ網羅的な全合成法の開発を目指すものである。 上記戦略に基づき、オレゴネンシン A とその関連天然物、計 4 種の全合成を共通の中間体より達成した。また、合成研究の過程で、tert-ブチルジメチルシリル (TBS) 基で保護された第一級アルコールを、一段階 (ワンポット) で選択的に開裂・酸化できる反応を見出した。本反応は、酸性条件に不安定な他の保護基の存在下でも利用でき、多段階反応を経る複雑化合物合成において有用と考えられる。
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