トレッドミルを用いた強制運動によって、マウス肝臓中レチニルエステルと骨格筋中レチノール量が増加した。また、運動を模した代償性過負荷モデルを用いて骨格筋を解析した結果、過負荷によって、ビタミンAの取り込みに関与するタンパク質の発現量が顕著に増加した。ビタミンA欠乏食の摂取は過負荷による骨格筋量の増加量を低下させた。また、マウスの足底筋にレチノイン酸受容体のアンタゴニストを投与した結果、過負荷による骨格筋量の増加量とタンパク質合成の増加率が低下した。以上の結果から、運動によってビタミンA代謝が変動することが明らかとなり、運動による骨格筋量の増加にビタミンAシグナルが関与することが示唆された。
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