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2021 年度 実施状況報告書

穀類のデンプン形状やその糊化度が空洞状膨化に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 21K14810
研究機関宇都宮短期大学

研究代表者

橋詰 奈々世  宇都宮短期大学, 食物栄養学科, 講師 (30737705)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード膨化調理 / 空洞状膨化 / シュー / ソバ / デンプン / 湿式加熱
研究実績の概要

本研究の目的は空洞状膨化食品の調製条件においてデンプンの形状と糊化度が空洞状膨化に及ぼす影響について追究すること、さらに焼成方法でデンプンの糊化が制御可能か検討することである。本年度はこれらの目的のうち、デンプンの形状および焼成方法が膨化性に与える影響について検討を行った。
製粉後の穀物粉におけるデンプン形状は、穀物の種類や品種により胚乳細胞の軟質・硬質の相違があるため多様である。空洞状膨化に及ぼすデンプン形状の影響が明らかにされれば、製粉方法などの導入により、消費者のニーズに応じて選択の幅を広げる代替え製品開発につながることが期待できる。そこで、穀類のなかでも凝結デンプンを多く含むソバ粉を用いて検討を行った。ソバ粉はロール粉砕と気流粉砕で製粉し、粒度分布測定および走査型電子顕微鏡にて観察を行った。その結果、気流粉砕で製粉したソバ粉はメジアン径が小さく単粒デンプンを多く含んでおり、比容積およびシュー内部の空洞面積も有意に高く、膨化性が向上することが明らかとなった。
次に焼成法では乾式加熱と湿式加熱が膨化性に与える影響について検討した。コストや作業管理の面からも新たな工程を導入しなくても、焼成方法の変更により焼成過程で製品に与える熱量を調整することで、デンプンの糊化の制御が可能となるのではないかと予測される。また、焼成過程でのデンプン糊化や生地温度の昇温速度は膨化性に大きく関与する要素であり、膨化機構の解明に重要となる。本年度はこれらの要素のうち、乾式加熱および湿式加熱での生地温度の昇温速度と水分蒸発率の測定を行い比較を行った。その結果、湿式加熱は乾式加熱に比べてシューの比容積の値が高く、また生地温度の上昇が速く、水分蒸発率も高いことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

妊娠・出産による体調不良などで実験を遂行することが困難な時期があったこと、また新型コロナウイルスの影響で測定機器を使用させていただく予定の施設への立ち入りを自主的に制限したことが進捗が遅れる原因となった。

今後の研究の推進方策

デンプンの形状および焼成法により膨化性が向上することは明らかにしたが、デンプンの糊化状態や焼成法による糊化の制御についてはいまだ検討出来ていない。今後はデンプン糊化の測定に併せて生地の粘弾性などの測定も行い、膨化性との相互関係について検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

実験試料など、事前に購入していたものが残っており、購入する必要がなかった。また、研究の進捗状況に記載したが、妊娠・出産による体調不良で実験の遂行が困難であり、本年度に購入予定であった測定機器の購入を見送ったことが理由としてあげられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 製粉方法と焼成条件がソバ粉シューの膨化に及ぼす影響2021

    • 著者名/発表者名
      橋詰奈々世
    • 学会等名
      日本調理科学会2021年度大会

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公開日: 2022-12-28  

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