研究課題
若手研究
本研究では、野生イネが持つ環境適応性の多様性を利用して、穂が環境変化に応答しその形態を変化させ、日々変動する環境で生きていく適応機構を明らかにすることを目指した。具体的には、9ゲノム18種にわたる野生イネ遺伝資源を用いて、乾燥ストレスおよび塩ストレスへの応答評価を行い、その応答性の多様性を明らかにした。これにより、環境ストレスに頑健性あるいは敏感な応答を示すアクセッションを同定した。また栽培イネと野生イネの染色体断片置換系統群を利用して、遺伝学的解析も実施した。
植物遺伝育種学
本研究により、野生イネ遺伝資源が示す環境応答性の多様性の基盤情報を収集することができた。この基盤情報をもとに未利用植物資源である野生イネ遺伝資源の作物育種への利用を検討することで、環境適応型植物デザインが可能になれば、気候変動時代においても安定した食料生産を確保可能な社会が実現できる。