研究課題
若手研究
本研究では、遺伝子組換え共生細菌を用いた実験アプローチにより、宿主昆虫への細胞内共生を可能としている共生細菌側の責任遺伝子を同定することを目的とした。比較ゲノム解析により、候補遺伝子として136遺伝子を抽出した。そのうち、20遺伝子の欠損株を作製し感染実験を行ったが、いずれにおいても細胞内共生への関与は認めらなかった。引き続き、その他候補遺伝子における検証を継続し、細胞内共生を可能とする責任遺伝子の同定を目指したい。
微生物生態学
本研究では細胞内共生に関わる細菌側責任遺伝子の同定には至らなかったものの、候補遺伝子のリストアップは完了した。これらの中には責任遺伝子だけでなく、共生系の進化において重要な役割を果たした遺伝子も含まれているはずであり、そのような候補を絞り込めた点で重要な成果と言える。残りの候補遺伝子を対象に引き続き検証実験を行い、昆虫細胞内共生の分子基盤や進化プロセスの解明に繋げたい。