本課題では,卵巣機能低下原因として近年注目されている『卵巣線維化』が起こるメカニズムを明らかとするため,加齢マウスと肥満マウスの比較解析を行い,細胞内小器官であるミトコンドリアにおける脂質代謝がそのキーファクターであることを突き止めた.特に,その代謝パターンの中で,脂質代謝が低下していたことから,老化と肥満の共通項が脂質蓄積にあるということが新しい発見となった.このような卵巣の線維化が起こる卵巣間質組織において,脂質代謝やミトコンドリア機能を改善する薬剤を非侵襲的に投与したところ,ミトコンドリア機能改善と共に,卵巣機能の回復が認められ,新しい卵巣機能回復を発見することに成功した.
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