節足動物媒介性の人獣共通感染症ウイルスであるオルソブニヤウイルスは世界各地で家畜や野生動物と蚊やその他の節足動物の間で広く維持され、多くのヒト感染例も報告されている。中でもオロプーシュウイルス(OROV) は中南米でデング熱に次いで頻発する新興感染症であるが、病原性発現機構や作用機序に関する研究は十分ではない。本研究ではOROVが既存の感染機構では報告されていない「核蛋白質(N)が感染細胞の核に局在する」様子を観察した。ウイルス感染に不可欠なNの新たな機能を調査することは、OROVの新たな感染機構を提供し、さらにオルソブニヤウイルスの多様な病原性メカニズム解明の突破口となり得る。
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