本研究ではイヌの腫瘍に対する新規免疫療法としてこれまでの免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-L1抗体)を基盤に新規抗体薬候補を作出し、その機能評価を行った。まず、抗PD-L1抗体の治療効果との関連がある免疫関連分子の解析を行い、数種類の候補因子を同定した。その中のひとつの免疫抑制因子について阻害薬を開発し、抗PD-L1抗体との組合せによる新規抗体薬候補を作製した。新規抗体薬候補は、イヌの免疫担当細胞を良好に活性化し、実験用犬に対する反復投与において安全性に問題は認められなかった。本研究によりイヌ用抗体薬開発技術が進展し、その臨床応用に向けた道筋を拓くことができた。
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