研究課題
若手研究
本研究は翻訳アレスト配列を「新生鎖の動的挙動センサー」として応用し、トランスポゾンと次世代シーケンサー技術を活用することで、細胞内における新生鎖動態をプロテオームワイドに検出するTnDR-seq法の技術基盤を確立した。複数の分泌タンパク質や膜タンパク質において共通して、分泌や膜組込による特徴的な新生鎖動態が見られた。また、細胞内の可溶性タンパク質についても特徴的な動態を示すものが複数見つかった。さらに、新生鎖動態を感知する鍵であるアレスト配列について、新規のものを10以上見出した。
分子生物学
本研究のTnDR-seqを活用することで、今後、co-translationalな成熟・局在化の普遍的な法則性や、それに対する環境変動の影響などを見出せるようになると期待できる。それらはタンパク質科学における基礎的な重要知見となり、タンパク質生合成における様々な細胞内現象の理解を補助したり、有用タンパク質の効率的な大量生産に貢献したりすることで、種々の社会的問題の解決策へつながることが期待される。