本研究は構造解析に頻繁に用いられる安定化タンパク質、アポシトクロムb562RIL(bRIL)と呼ばれるタンパク質を抗原とした抗bRILサメ抗体の取得を目指しました。ヒト抗体は抗原を2つのドメインで挟み込むのに対して、サメ抗体は1つのドメインで突き刺さるように認識します。このような性質の違いから、サメ抗体の構造解析への応用が期待されました。サメに対するbRILタンパク質の免疫で血中抗bRIL抗体価の上昇が確認されたため、ファージディスプレイ法による抗bRIL抗体の取得を目指しましたが、至りませんでした。本研究より、抗原タンパク質の形状によってサメ抗体の得意不得意が存在することが見出されました。
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