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2023 年度 研究成果報告書

海流散布植物を基盤とする昆虫群集における生物間相互作用の維持・創出機構の解明

研究課題

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研究課題/領域番号 21K15157
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分45030:多様性生物学および分類学関連
研究機関滋賀県立琵琶湖博物館

研究代表者

大槻 達郎  滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 主任学芸員 (60760189)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード生物間相互作用 / 生物多様性 / 系統地理 / 昆虫 / 海流散布植物
研究成果の概要

本研究では、クロマメゾウムシの系統地理解析によって、本種はハマエンドウの種子に乗って長距移動することが判明した。また、集団内の遺伝的多様性は極端に低く、現存集団には強いボトルネックがかかっていることが示唆された。本種は花蜜を主食とするが、ハマエンドウの花蜜を採餌した時のみ産卵することから、本種が世代更新・長距離分散するにはハマエンドウが不可欠であることも明らかとなった。
寄生蜂に関しては系統地理解析はできなかったが、この蜂を捕食するアザミウマの存在を確認した。本種はまだ同定できていないが、ハマエンドウの種子(豆夾)は様々な昆虫を分散する「船」になっている可能性が示唆された。

自由記述の分野

分類・多様性

研究成果の学術的意義や社会的意義

植物-植食昆虫-寄生蜂の生物間相互作用は世界中でみられ、これらの進化史を解明することは、生物多様性創出・維持機構の解明に不可欠である。クロマメゾウムシはハマエンドウの種子に寄生するが、種子の発芽にも寄与する。また、寄生蜂がこの昆虫に寄生すると、種子の発芽率は上昇する。これらの昆虫は、植物の世代更新や群集の安定に寄与するが、攪乱環境の海浜で3者の関係がどう維持されているかは不明である。本研究では、海流散布種子に寄生する昆虫を系統地理解析することで、昆虫が種子と共分散することを明らかにした。海浜環境の劣化が懸念される今日において、本研究は海浜の生物群集の理解を深め、保全研究の基礎的知見となった。

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公開日: 2025-01-30  

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