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2021 年度 実施状況報告書

熱帯雨林の樹冠果実食者群集における真猿類の採食空間ニッチの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K15173
研究機関京都大学

研究代表者

本郷 峻  京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 特定研究員 (70797266)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード霊長類 / 進化 / カメルーン / ニッチ分割 / 樹上カメラ
研究実績の概要

夜行性だった霊長類の祖先は、昼行性の果実食者へと進化したことで熱帯雨林での繁栄を手にしたとされる。しかし真猿類が昼の世界に現れた頃、「樹冠の食卓」にはすでに大型鳥類や小型ネコ類がいた。新参者の真猿類はどのように彼らとすみ分け、さらには数で勝ることができたのだろう?本研究では、「真猿類は果実が多い樹冠中層部の枝先を独自の採食空間として占有している」という仮説をカメルーン熱帯雨林で検証する。樹冠果実の三次元マップ、果樹下での行動観察、自動撮影カメラによって、各動物種の採食行動を徹底的に調べる。これにより果実食者間の採食空間ニッチの違いを解明し、真猿類繁栄のメカニズムを探る。
本年度は、予定していた海外調査がコロナ禍の影響で実施できなかったため、研究計画の練り上げと関連研究の渉猟を行った。日本霊長類学会大会、日本ワンヘルスサイエンス学会、日本哺乳類学会、日本生態学会の大会に参加し、幅広い分野の研究者・専門家と議論を重ねることで、霊長類の熱帯雨林での繁栄における採食空間ニッチの重要性についての考察を洗練させた。また、調査と分析に当たっての方法論的な詳細を修正した。
これら本年度にまとめた計画をもとに、2022年度に調査を実施する予定である。カメルーン熱帯雨林の結実期に現地に渡航し、計画していたデータを収集して予備的な解析をおこなって国内外の学会で発表するとともに、それ以降の調査・分析・執筆計画についての計画を立てる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は予定していた調査がコロナ禍の影響で実施できなかったため、計画と比べて進捗状況はやや遅れている。しかし、この国内での期間を活用して様々な研究者と議論したり文献を渉猟したりしたことで、調査と分析の計画を洗練させることができた。

今後の研究の推進方策

まずは2022年度7-8月にカメルーンに渡航し、延期していた調査を実施する。帰国後データを分析して予備的な結果を年内に得る。必要に応じて2回目以降の調査渡航を行ったうえで、2023年度以内に速やかに成果をまとめる計画である。

次年度使用額が生じた理由

本年度計画していた調査ができなかったため、おもに自動撮影カメラの購入とカメルーン渡航に関する経費に関して、次年度使用が生じた。これらは2022年度に調査を実施することで使用する計画である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] 農業開発研究所(IRAD)/ヤウンデ第1大学(カメルーン)

    • 国名
      カメルーン
    • 外国機関名
      農業開発研究所(IRAD)/ヤウンデ第1大学
  • [雑誌論文] Seasonality in daily movement patterns of mandrills revealed by combining direct tracking and camera traps2022

    • 著者名/発表者名
      Hongo Shun、Nakashima Yoshihiro、Akomo-Okoue Etienne Fran?ois、Mindonga-Nguelet Fred Lo?que
    • 雑誌名

      Journal of Mammalogy

      巻: 103 ページ: 159~168

    • DOI

      10.1093/jmammal/gyab141

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Double-observer approach with camera traps can correct imperfect detection and improve the accuracy of density estimation of unmarked animal populations2022

    • 著者名/発表者名
      Nakashima Yoshihiro、Hongo Shun、Mizuno Kaori、Yajima Gota、Dzefck Zeun’s C. B.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 12 ページ: 2011

    • DOI

      10.1038/s41598-022-05853-0

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] アフリカ熱帯雨林におけるブッシュミート哺乳類の総バイオマスを予測する指標の探索2022

    • 著者名/発表者名
      本郷峻, Zeun's CB DZEFACK, Latar N VERNYUY, 南倉輔, 水野佳緒里, 大塚亮真, 弘島由紀子, 中島啓裕, Champlain DJIETO-LORDON, 安岡宏和
    • 学会等名
      第69回日本生態学会大会
  • [学会発表] カメルーン東南部の熱帯雨林における類人猿の皮膚感染症:自動撮影カメラによる発見2021

    • 著者名/発表者名
      本郷峻, ゼファック・ゼウンス, 南倉輔, カムゲン・トワ, ヴァーナウィ・ラター, マスシ・ジャック, 水野佳緒里, 宮部貴子, 岡本宗裕, 鵜殿俊史, 四津里英, 石井則久, 鈴木幸一, 三上万理子, 田村大也, 徳山奈帆子, 服部志帆, 戸田美佳子, 四方篝, 中島啓裕, ジェト-ロルドン・シャンプラン, 安岡宏和.
    • 学会等名
      第37回日本霊長類学会大会
  • [学会発表] アフリカ熱帯雨林における狩猟動物のバイオマスを予測する指標の探索:住民参加モニタリングの実装に向けて2021

    • 著者名/発表者名
      本郷峻, Zeun's CB DZEFACK, Latar N VERNYUY, 南倉輔, 水野佳緒里, 大塚亮真, 弘島由紀子, 中島啓裕, Champlain DJIETO-LORDON, 安岡宏和
    • 学会等名
      日本哺乳類学会 2021年度大会
  • [学会発表] カメルーン東南部の熱帯雨林における類人猿の皮膚疾患:自動撮影カメラによる発見2021

    • 著者名/発表者名
      本郷峻, DZEFACK Zeun's CB, 南倉輔, KAMGAING Towa OW, VERNYUY Latar N, MASSUSSI Jacques A, 水野佳緒里, 宮部貴子, 岡本宗裕, 鵜殿俊史, 四津里英, 石井則久, 鈴木幸一, 三上万理子, 田村大也, 徳山奈帆子, 服部志帆, 戸田美佳子, 四方篝, 中島啓裕, DJIETO-LORDON Champlain, 安岡宏和
    • 学会等名
      第5回日本ワンヘルスサイエンス学会年次学術集会
  • [備考] 本郷峻 個人ウェブサイト

    • URL

      https://sites.google.com/view/shunhongo/home

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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