FUSは生理的な相分離が破綻すると異常凝集して封入体を形成する。本研究ではFUS相分離を制御する要因の1つとしてFUSのアルギニンメチル化に着目した。FUS変異のある家族性ALS(ALS-FUS)、FUS蓄積を伴うFTLD(FTLD-FUS)、孤発性ALS、正常対照の計4群の脳検体を用いて質量分析法を行って疾患ごとのメチル化状態のマッピングを行ったところ、正常対照に比べてFTLD-FUSでは全体的にアルギニン残基が脱メチル化する傾向にあり、さらに特定のアルギニン残基では有意に脱メチル化していた。これら特定のアルギニン残基の脱メチル化がFUSの相分離亢進を引き起こしている可能性が示唆された。
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