温度感受性TRPM8チャネルの薬剤による活性化がてんかん発作を抑制すると仮説を立てて研究を実施した.TRPM8チャネルを脳内に発現するマウスはTRPM8チャネルの活性剤によって薬剤誘発性のてんかん発作を抑制した.一方,TRPM8チャネル遺伝的に欠損させたTRPM8欠損マウスではTRPM8チャネルの活性剤による抗てんかん様の効果は検出されなかった.また,TRPM8欠損マウスとTRPM8チャネルを有するマウスとのてんかん発作を比較した結果,TRPM8欠損マウスはてんかん発作を起こしやすいことがわかった.その原因はてんかん発作の原因物質の一つであるグルタミン酸の細胞外濃度の上昇によるものであった.
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