本研究では、BRAFに対する分子標的薬が腎保護作用から腎毒性作用まで多様な作用を示すことから、その作用に直接寄与する分子を特定することを目的としました。腎保護作用を示すBRAF阻害薬GDC-0879については適した実験評価系が構築できませんでした。その一方で、腎毒性を示すBRAF阻害剤ベムラフェニブについては、尿細管上皮細胞で細胞毒性を確認できました。また、ベムラフェニブ誘導体を合成し、腎毒性を維持したリンカー付加化合物を取得することができました。この化合物からベムラフェニブ固定化ナノ磁気ビーズを作成し、標的分子の特定を試みました。その結果、いくつかの標的候補分子を得ることができました。
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