がん関連血栓症は、悪性腫瘍を有する患者に発症する、生命予後に関わる疾患である。特に、がん関連静脈血栓症は、がん患者の発症率が高く、その病態解明は喫緊の課題となっている。これまでに、人体の中でどのようにがんに関連した血栓が形成されているのか、その検討はほぼなされていない。 本研究では、病理解剖症例を対象として、多数の血栓組織を解析した。その結果、多くの血栓組織には、がん細胞そのものが存在すること、血栓内がん細胞そのものが、血栓傾向に向かわせる因子を発現していることが明らかとなった。 本研究によって、人体病理に基づいたがん関連血栓症の新規知見が得られた。さらなる臨床診断法、治療法への応用が期待される。
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