研究課題/領域番号 |
21K15425
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
金澤 孝祐 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 共同研究員 (60898279)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 舌癌 / マウス発がん実験 / PP6 / KRAS |
研究成果の概要 |
膵細胞特異的に、二重変異(KRAS(G12D)変異とTrp53欠損)を導入したマウスにおいて、PP6遺伝子(Ppp6c)を欠損させると150日以内に全てのマウスにおいて、膵臓腫瘍を発症し衰弱して死亡した。変異誘発後80日目における腫瘍発生に関して検討した。Ppp6c欠損マウスの膵臓では、コントロールと比較して、腫瘍の数と大きさ、前癌病変の数が有意に増加した。Ppp6c欠損マウスの膵臓で認められた腫瘍は、病理学的にはEMTを起こしたPDACと診断された。また、サルコペニア、脂肪組織の消失、血清中IL-6の上昇、解糖系代謝が亢進し、ヒトの膵がんで認められる悪液質に類似した症状を示した。
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自由記述の分野 |
実験病理学関連
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵がんは、初期にKRAS変異が起こり、次にp53の遺伝子異常が起こり、引き続いていくつかの遺伝子異常が重なることで発症すると考えられている。一方で、KRAS変異やp53異常は、それを標的とする治療薬がないのが治療上の課題となっている。 本研究により(1)膵がんの新規抑制遺伝子としてPP6を同定した。(2)悪液質を呈するヒトの膵癌の発生のモデルとなるマウスを作製した。(3)本マウスを用いて、新規の治療法のスクリーニングをすることが可能となった。(4)NFkBの阻害剤、ERKの阻害剤、およびPP6の活性化剤が、新しい治療法になる可能性を提示した。
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