研究課題/領域番号 |
21K15437
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 湘南医療大学 (2022-2023) 東邦大学 (2021) |
研究代表者 |
進藤 綾大 湘南医療大学, 薬学部医療薬学科, 助教 (20807276)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 肺炎球菌 / 重症肺炎 / 疾患感受性遺伝子 / CXCR2 / 免疫応答 / 感染制御 / CIITA / 疾患感受性 |
研究成果の概要 |
本研究では、肺炎球菌性肺炎に対する疾患感受性遺伝子(群)を同定し、その病態増悪への役割について解析した。比較ゲノム解析ならびに連鎖解析からケモカインレセプターである Cxcr2 を責任遺伝子として同定した。Cxcr2 およびそのリガンドであるCxcl1・Cxcl2の肺における発現量を測定したところ、野生型マウスと比較して重症型マウスでは発現誘導の遅延が認められた。このことに相関して、重症型マウスでは好中球・マクロファージの肺への動員の遅延、炎症性サイトカインの著増が認められた。以上のことから、感染初期の病原体への応答が遅れることが肺炎の重症化に関わることが推察された。
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自由記述の分野 |
免疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺炎は、主要な死因別の死亡率において悪性新生物、心疾患に次ぐ第5位に位置しており、その死亡者のうち65歳以上の割合は97%に達する。日本は超高齢化社会に突入しており、更なる肺炎による死亡者数の増加が懸念されることから、肺炎球菌性肺炎による重症化を理解することは喫緊の課題といえる。本研究では肺炎球菌性肺炎の重症化に関わる遺伝因子を特定することができ、それらが肺炎球菌感染の初期応答に不具合を生じることから、結果として肺炎の重症化が進行することが判明した。今後は肺炎球菌性肺炎の重症患者と本疾患因子との相関性を明らかにすることにより、重症化の予防・予測などに役立てられるものと期待している。
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