研究課題
若手研究
近年、次々と新しい薬剤耐性病原菌が発生している。その対策として、新規なメカニズムによる抗生物質の開発が強く求められているが、その研究の過程ではヒトへの副作用が問題となる。本研究では、呼吸鎖複合体というヒトにも保存されたタンパク質でありながら、病原菌特異的な阻害剤を合理的に探索する方法を発見し、最終的には、薬剤耐性淋菌に対して殺菌作用を持つ特異的抗菌薬の発見に至った。
タンパク質機能構造解析
本研究では、病原菌では創薬標的として期待が高い呼吸鎖酵素を標的としており、その成果は、学術的のみならず、医療や産業への展開が期待できる。さらに、髄膜炎菌/淋菌酵素でも特異的な阻害剤を発見し、これが薬剤耐性淋菌に対して殺菌作用を持つことを示したことは、申請者の仮説を実証する内容である。以上の結果を論文としてまとめ発表した (Nishida et al. Nature commun., 2022)。