HMGB1は細胞がダメージを受けた際に放出され炎症・免疫応答を惹起するdamage-associated molecular patternsの一つとして近年研究が進んでいたが、個体発生においても重要な役割を果たすことが示唆されていた。しかしながら詳細は機能は不明であり、特に組織幹細胞における役割については個体レベルでの解析は全くなされていなかった。本研究はHMGB1の造血幹細胞の恒常性維持における役割を初めて明らかにした点で画期的である。さらにHMGB1が慢性骨髄性白血病の病態形成において重要でありかつ治療標的となりうることを示した点で意義のあるものと言える。
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