癌細胞は増殖や浸潤のエネルギー源に脂質を利用する。本研究では、① 肺腺癌の細胞質に存在する小型脂肪滴表面のperilipin 2が脂質の貯蓄や分解に影響を及ぼすか、さらに② 癌細胞の機能にどの様な影響を及ぼすか、を明らかにするため研究を行った。病理組織学的解析では、perilipin 2を高発現する肺腺癌は予後不良であり、ステージが進行した症例であることを明らかにした。また、肺腺癌培養細胞株では、肺腺癌のperilipin 2発現の低下により増殖能、移動能が低下し、エネルギー源である脂質を蓄えている脂肪滴は減少していた。
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