ATTRvアミロイドーシスにおいて、脳血管へのアミロイド沈着量および血管構造変化の程度は肝移植の有無にかかわらず罹病期間に相関して進行する傾向が認められた。血管に沈着したアミロイドを構成するTTRは、脳組織においては非肝移植症例、肝移植症例とも変異型優位であった。一方、心臓組織においては、非肝移植症例では変異型優位であり、肝移植症例では野生型優位であった。肝移植後の心臓組織の血管に沈着したアミロイドの形成は移植肝由来の野生型TTRの影響を受けるが、肝移植後の脳血管に沈着したアミロイドの形成は移植肝由来の野生型TTRの影響をほとんど受けず、脈絡叢由来の変異型TTRの影響を受けることが示唆された。
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