症状評価と客観的指標を用いた摂食障害に対する反復経頭蓋磁気刺激療法の有効性の検証

2022 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 21K15754
• 研究機関: 関西医科大学
• 研究代表者: 池田 俊一郎 関西医科大学, 医学部, 講師 (40772231)
• 研究期間 (年度): 2021-04-01 – 2025-03-31
• キーワード: 反復経頭蓋磁気刺激療法 / 摂食障害 / 脳波解析 / rTMS

研究実績の概要

現在、うつ病患者に対して反復経頭蓋磁気刺激療法を施行し、臨床症状の変化、定量脳波解析、刺激部位の決定など様々な研究を行っている。摂食障害に関しては、院内ネットワークを構築し情報共有、臨床指標、認知機能に対する影響などに関して研究を行っている。
反復経頭蓋磁気刺激療法に関しては、学会にて「脳波定量解析を用いた反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の治療効果予測」「定量脳波解析を用いた反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)によるうつ病の治療効果の検討」「関西医科大学におけるrTMSの実践と不安に対する効果」「rTMSにおける臨床的視点　うつ病におけるネットワーク異常と反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)の適切な刺激部位の検討」「患者レジストリを基軸としたrTMS療法の適正使用と全国展開　関西TMSネットワークの取り組み」発表と研究を継続している。摂食障害に関しては、「神経性やせ症の定量脳波解析における健常人との比較」「当院における摂食障害治療の後方視的調査」「関西医科大学総合医療センターにおける摂食障害治療ネットワークの構築と後方視的分析」の発表と研究を継続している。
研究手法としてもTMS-EEG同時計測法の最新の測定法を導入し、施行・分析可能となった。新たに、ニューロナビゲーションを使った研究を施行しており、刺激位置の最適化に向けた研究を行っている。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在、摂食障害に対しての反復経頭蓋磁気刺激療法の施行に対して、倫理審査委員会に書類の提出、各種施行の手順の確認など施行に向けて順調に計画通りに進行している。

今後の研究の推進方策

倫理審査委員会の承認後、患者をリクルートし、反復経頭蓋磁気刺激療法を施行する予定としている。「脳波定量解析を用いた反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の治療効果予測とネットワーク異と」と「反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)の適切な刺激部位の検討」については、論文作成予定である。

次年度使用額が生じた理由

現時点では計画から大きな遅れはないものの研究対象者のリクルートは行えておらず、その分の謝金、物品などの費用が来年度への持ち越しとなった。来年度はリクルートを再開し、さらに研究体制を構築する予定である。
また、現在、論文作成段階になっており、その点も本年度に使用できなかった理由でもある。来年度は本格的な刺激に向けて、研究費を使用する予定である。

研究成果

• [雑誌論文] Precise Discrimination for Multiple Etiologies of Dementia Cases Based on Deep Learning with Electroencephalography (2023)
  • 著者名/発表者名: Masahiro Hata, Yusuke Watanabe, Takumi Tanaka, Kimihisa Awata, Kenji Yoshiyama, Masao Iwase, Shunichiro Ikeda, Keiichiro Nishida, Yoshiteru Takekita, Masafumi Yoshimura, Ryouhei Ishii, Hiroaki Kazui, Tatsuya Harada, Haruhiko Kishima, Manabu Ikeda, Takufumi Yanagisawa
  • 雑誌名: Neuropsychobiology 巻: 82 ページ: 1‐10
  • DOI: 10.1159/000528439
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Association between the Rostral Anterior Cingulate Cortex and Anterior Insula in the Salience Network on Response to Antidepressants in Major Depressive Disorder as Revealed by Isolated Effective Coherence (2022)
  • 著者名/発表者名: Shota Minami, Masaki Kato, Shunichiro Ikeda, Masafumi Yoshimura, Satsuki Ueda, Yosuke Koshikawa, Yoshiteru Takekita, Toshihiko Kinoshita, Keiichiro Nishida
  • 雑誌名: Neuropsychobiology 巻: 81 (6) ページ: 475-483
  • DOI: 10.1159/000525338
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] ECT施行中に脳波の徐波化を呈した症例 (2022)
  • 著者名/発表者名: 佃万里, 青木宣篤, 嶽北佳輝, 西本大樹, 池田俊一郎, 南翔太, 清水敏幸, 木下利彦
  • 雑誌名: 大阪てんかん研究会雑誌 巻: 32(1) ページ: 7-12
  • 査読あり
• [学会発表] 経頭蓋直流刺激による脳内活動及びネットワーク (2022)
  • 著者名/発表者名: 桂功士, 西田圭一郎, 池田俊一郎, 森島陽介, 吉村匡史, 北浦祐一, 上田紗津貴, 南翔太, 木下利彦
  • 学会等名: JSBET/JPEG JOINT MEETING 2021 in Kanazawa
• [学会発表] うつ病のIsolated effective coherence (i Coh) (2022)
  • 著者名/発表者名: 南翔太, 加藤正樹, 池田俊一郎, 吉村匡史, 上田紗津貴, 越川陽介, 嶽北佳輝, 木下利彦, 西田圭一郎
  • 学会等名: JSBET/JPEG JOINT MEETING 2021 in Kanazawa
• [学会発表] 神経性やせ症の定量脳波解析における健常人との比較 (2022)
  • 著者名/発表者名: 佃万里, 池田俊一郎, 上田紗津貴, 南翔太, 桂功士, 清水敏幸, 西田圭一郎, 吉村匡史, 木下利彦
  • 学会等名: JSBET/JPEG JOINT MEETING 2021 in Kanazawa
• [学会発表] 脳波定量解析を用いた反復経頭蓋磁気刺激（ｒTMS)によるうつ病の治療効果予測 (2022)
  • 著者名/発表者名: 清水敏幸, 池田俊一郎, 吉村匡史, 西田圭一郎, 桂功士, 南翔太, 佃万里, 木下利彦
  • 学会等名: JSBET/JPEG JOINT MEETING 2021 in Kanazawa
• [学会発表] ; The change of EEG microstate after single session transcranial direct current stimulation in depression patients (2022)
  • 著者名/発表者名: Keiichiro Nishida, Masafumi Yoshimura, Koji Katsura, Shunichiro Ikeda, Banri Tsukuda, Toshihiko Kinoshita
  • 学会等名: 50th microstate conference
  • 国際学会
• [学会発表] 急性期ECT施行中に認知機能障害と脳波異常を呈した症例 (2022)
  • 著者名/発表者名: 佃万里, 青木宣篤, 池田俊一郎, 南翔太, 嶽北佳輝, 木下利彦
  • 学会等名: 第50回大阪てんかん研究会
• [学会発表] 定量脳波解析を用いたうつ病と気分障害に対するマインドフルネス瞑想を取り入れた作業療法介入による脳機能変化の検討 (2022)
  • 著者名/発表者名: 佃万里, 山本敦子, 西田圭一郎, 池田俊一郎, 南翔太, 清水敏幸, 木下利彦, 加藤正樹
  • 学会等名: 第41回躁うつ病の薬理・生化学的研究懇話会
• [学会発表] うつ病に対しての反復経頭蓋磁気刺激（rTMS）治療における脳活動変化と治療効果予測因子 (2022)
  • 著者名/発表者名: 池田俊一郎, 佃万里, 清水敏幸, 吉村匡史, 西田圭一郎, 桂功士, 南翔太, 木下利彦
  • 学会等名: 第52回日本臨床神経生理学会学術大会
• [学会発表] 反復経頭蓋磁気刺激における刺激位置の検討 (2022)
  • 著者名/発表者名: 佃万里, 池田俊一郎, 南翔太, 清水敏幸, 桂功士, 西田圭一郎, 吉村匡史, 木下利彦
  • 学会等名: 第52回日本臨床神経生理学会学術大会
• [学会発表] 機能的連結に注目したうつ病に対しての反復経頭蓋磁気刺激（rTMS）療法の治療効果や予測因子 (2022)
  • 著者名/発表者名: 清水敏幸, 池田俊一郎, 吉村匡史, 西田圭一郎, 桂功士, 南翔太, 佃万里, 木下利彦
  • 学会等名: 第52回日本臨床神経生理学会学術大会
• [学会発表] 関西医科大学での依存症外来の実際と工夫 (2022)
  • 著者名/発表者名: 池田俊一郎
  • 学会等名: 2022年度アルコール薬物依存関連学会合同学術総会
• [図書] レジデント必読 病棟でのせん妄・不眠・うつ病・もの忘 れに対処する (2022)
  • 著者名/発表者名: 吉村匡史，北浦祐一，池田俊一郎
  • 総ページ数: 220
  • 出版者: メジカルビュー社
  • ISBN: 978-4-7583-0237-1