本研究では、放射性核種であるTc-99mで標識した合成糖たん白(Tc-99m-GSA)による肝シンチグラフィの適用となった肝がん患者44名を対象として、放射性薬剤の代謝や形態学的差異を考慮した内部被ばく線量を評価した。Tc-99m-GSAによる被ばく線量が最も高い肝臓に関して、男性は代謝に起因する壊変数のバラつき、女性は形態学的差異に起因するS値のバラつきが大きく、一概に代謝又は形態学的差異のどちらか一方が吸収線量のバラつきに大きく寄与するとはいえず、個人の内部被ばく線量評価にあたり両方を考慮すべきであることが示唆された。
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