川崎病(KD)は小児に多発する原因不明の全身性血管炎である。本研究ではKDの発症に腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)が関連しているかを明らかにすることを目的とした。KDに罹患後約1年が経過した児26名と、KD既往のない健康小児57名を対象として、腸内細菌叢を比較した。その結果、KD既往群ではRuminococcus gnavusが多く、Blautiaが少なかった。R. gnavusはアレルギー疾患や自己免疫疾患の発症への関与が指摘されている一方、Blautiaは免疫調節に関与する。このことから、KDの既往を有する児はdysbiosisを来たしており、KD罹患感受性因子である可能性がある。
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