Noonan症候群の一部では二次性心筋症を生じるがその発症機序は不明である。Noonan症候群の疾患関連遺伝子であるPTPN11遺伝子において心筋症発症が無い変異型X、自験例である二次性心筋症症例の変異型Yに着目し、アデノウイルスベクターを用いてX, Yおよび野生型を、ラット新生仔心筋細胞(NRCM)初代培養に過剰発現させ、細胞レベルで比較した。2種の変異型を発現させたNRCMではサルコメア構築の乱れを認め、変異型Yを発現させたNRCMでは心筋細胞面積の低下と生存細胞数の減少を認めた。以上より、PTPN11遺伝子変異YはNRCMの細胞構築の維持と細胞の生存に寄与する可能性が示唆された。
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