研究課題
若手研究
本邦における浸潤性の胃癌のほとんどはピロリ菌感染が関わっている。ピロリ菌が関与しない浸潤性の胃癌ではどのような遺伝子変異が見られるか研究の目的とした。今回胃癌の中でも未分化型腺癌について解析した。ピロリ菌未感染胃癌、除菌後胃癌の癌組織の遺伝子解析ではCDH1,RHOA,TP53,ZFHX3の病的バリアントを全体の10%以上で認めた。その中で未感染胃癌群では除菌後胃癌群と比較してCDH1の病的バリアントの頻度が有意に高かった。
消化器内科学
ピロリ菌感染が減少している本邦では胃癌は数十年後には稀な癌になる可能性がある。しかしピロリ菌に関与しない未分化型胃癌、特に印環細胞癌は一定頻度で発症しその中でも浸潤性の胃癌が命に関わってくる。粘膜内の印環細胞癌がどのような原因で浸潤性の胃癌に変わるのかメカニズムを解明することで胃癌治療の創薬に繋がる可能性がある。さらに、浸潤癌に移行する遺伝子バイオマーカーが同定できれば胃癌診療における新たなストラテジーが確立できる可能性がある。