アルブミンは肝臓のみで産生され、肝硬変患者では病態進展に伴い低アルブミン血症をきたす。低アルブミン血症は浮腫や胸腹水を惹起しADL低下や肝癌治療の障壁となり、結果として全生存率を短縮させる。治療として献血由来アルブミンの補充や分岐鎖アミノ酸製剤による栄養療法が行われるが、その治療効果は限定的である。我々の施設では、アルブミンと同様に肝臓のみで産生される脂質代謝酵素の家族性欠損症に対し、患者自身の脂肪細胞に正常遺伝子を導入し自家移植する細胞療法の臨床試験を開始しており、本研究では、脂肪細胞へのアルブミン高産生プラスミドを導入およびアルブミン高産生脂肪細胞の樹立を目指したが、達成されなかった。
|