研究課題/領域番号 |
21K16019
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
假屋 太郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30756127)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 敗血症 / 多光子顕微鏡 |
研究実績の概要 |
【具体的内容】 僧帽弁の部分的な長さ張力-関係の測定は、ブタではなくイヌ心臓サンプルを用いて継続している。僧帽弁だけでなく、三尖弁や大動脈弁などもサンプルとして用いている。また、派生したテーマとして、僧帽弁に組織透明化プロセスを加えて適切に固定し、多光子顕微鏡で観察するプロトコルを確定して、線維方向に関するデータを蓄積している。患者の僧帽弁などの検体を入手することは、手続き面などが進まずに遅れている。マウス敗血症モデルを用いた敗血症時の心筋mRNA profileについては敗血症モデルの選定やコラボレーターの確保も含めて、実験プロトコルを確定させた。荷重ピンセットとphotogeometryに関しては、荷重ピンセットの設計上の問題点を克服できていないため、いったんエフォートを落とし他のテーマに注力している。派生したテーマとして、左右心室の相互作用を考慮に入れた血行動態解析があり、これはコンピューターシミュレーションソフト(Harvi Online)で適宜解析し、その成果の一部を和文で発表している。 【意義 重要性】多光子顕微鏡での房室弁線維方向の同定は、これまで報告がほとんどなく、新規性が高いと考えられるため、それを進めている。マウス敗血症モデルは分子生物学的に解析する準備がととのったと考えている。左右心室の相互作用を勘案したシミュレーションソフトの、臨床に即した利用の一例を示すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
荷重ピンセットの設計上の問題点を克服できていない。ヒトサンプルが集まっていない。
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今後の研究の推進方策 |
荷重ピンセットの設計上の問題点を克服する。それらによって房室弁の長さ張力関係を測定する。これによって有限要素法での僧帽弁・三尖弁モデルを作成する。弁の線維方向の同定を多光子顕微鏡で進める。左右心室筋のmRNAプロファイルを疾患マウスモデルでも比較する。ヒト僧帽弁・三尖弁の入手については上記が終わってから進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
イヌ心臓が無料で入手できるため、分子生物実験に使用する経費がさらに捻出できた。またイヌ心臓に関しての多光子顕微鏡の使用料金に充当することができるようになった。次年度には使い切ることができる予定である。
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