社会の高齢化に加え、疾患の認知・治療法の発達によりわが国におけるCTEPH患者数は増加の一途をたどっている。BPA, PEAに加え可溶性グアニル酸シクラーゼ阻害薬の登場によりCTEPH症例のQOLや予後は10年前とは比較にならないくらい劇的に改善し、CTEPHは今や「治る病気」になった。しかし、依然としてCTEPHの発症・進展の分子メカニズムは不明であり、その発症の本体に迫る研究は乏しい。本研究は、CTEPH発症の分子メカニズムを明らかにして新たなCTEPH治療方針を提案する可能性があり、またさらには将来的には有効な治療薬の開発に資するシーズを提供する可能性がある。
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