ナトリウム利尿ペプチド(Natriuretic Peptide: NP)は心房・心室より分泌される抗心不全ホルモンである。一方で近年、インスリン抵抗性改善作用・熱産生作用が明らかになりつつある。本研究では、細胞実験によりNPの熱産生作用を初めて証明した。さらには低温環境下で体温保持効果を示すことも初めて示した。加えて、白色脂肪組織の炎症改善・脂肪滴縮小効果、褐色脂肪組織の改善、さらには脂肪肝の改善によって全身インスリン抵抗性が改善することも示した。これらの研究結果によりNP活性化薬の新たな治療的側面が明らかになった。臨床研究も行い、ヒトでもインスリン抵抗性改善作用を示すことを示した。
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