慢性関節炎モデルであるSKGマウスと動脈硬化モデルのApoEノックアウトマウスを交配させて両遺伝形質を併せ持つマウスを作製した。このマウスが関節炎と動脈硬化を同時に発症することを確認し,このモデルマウスを使用して関節炎による炎症が動脈硬化に及ぼす影響を検討した。関節炎誘発群は、誘発していない群に比較して、大動脈の動脈硬化面積、大動脈弁輪部の狭窄率、大動脈組織の炎症性サイトカイン遺伝子発現、血清TNF-α、IL-6の濃度有意に上昇していた。一方、血清総コレステロール濃度は両群に差がなかった。以上から、関節炎による炎症が動脈硬化進展に直接影響を及ぼしていることが確認された。
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