慢性閉塞性肺疾患(COPD)において動脈硬化性疾患は重要な併存症であり,動脈硬化の存在がCOPDの病態形成に及ぼす影響,両者を結ぶ候補蛋白としてplasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)に着目して研究を行った.マウスにタバコ煙抽出液(CSE)を投与することにより血漿中PAI-1活性の上昇を伴うCOPDモデルを確立した.次にヒトの脂質異常症の特徴を再現した動脈硬化マウス(LDLr-/-/Apobec1-/-)を用いて,CSE投与によるCOPDモデルの実験を行い,野生型マウスと比較し,動脈硬化マウスでは,肺組織における肺気腫形成が促進することが確認された.
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