研究課題
申請者らは、気道粘液中の糖蛋白質ムチン(MUC5AC(2型炎症性サイトカインIL-4およびIL-13により誘導される)およびMUC5B)に関する先行研究である「未治療軽症喘息患者における誘発喀痰中MUC5ACとMUC5Bの病態生理学的意義に関する臨床研究」を論文投稿し、受理され(Allergology International 2022;71(2):193-199)、誘発喀痰中MUC5ACが軽症喘息患者において健常者に比して高発現し、気道過敏性や好酸球性/2型気道炎症に寄与する一方でMUC5Bの寄与は限局的であることを明らかにした。また、名古屋市立大学病院で現在進行中の臨床研究「重症喘息における抗ヒトIL-4受容体α鎖抗体(IL-4およびIL-13選択的阻害薬)の有効性に関する研究(UMIN000038669)」において、本薬剤が気道過分泌の一指標である「咳および痰の質問票スコア」を有意に改善しうることを観察し、症例の組入れとデータの集積に努めている(26例集積)。以上の先行研究結果および臨床研究途中経過を踏まえ、本研究の目的であるムチン(特にMUC5AC)高発現の重症喘息病態および喘息コントロール状態への寄与を明らかにすべく、横断的臨床研究計画案を名古屋市立大学医学系研究倫理審査委員会に申請中である。
3: やや遅れている
先行研究の論文受理までに時間を要したことや、現在進行中の臨床研究(本研究の内容に関連)の症例集積とデータ収集に時間を要していることが、本研究の進捗の遅れに寄与した。
本研究の名古屋市立大学医学系研究倫理審査委員会での承認に努める。承認が得られ次第、対象者の組入れと臨床データの集積に努める所存である。また現在進行中の臨床研究(重症喘息における抗ヒトIL-4受容体α鎖抗体(IL-4およびIL-13選択的阻害薬)の有効性に関する研究(UMIN000038669))についても、症例の組入れとデータの集積および解析に努める。
研究の進捗状況の遅れと社会情勢に伴い、本年度の測定にかかる費用(物品費)と学会参加費(旅費)が削減されたことによる。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Allergology International
巻: 71 ページ: 193-199
10.1016/j.alit.2021.09.003. Epub 2021 Oct 13.