重症喘息の気道過分泌病態における誘発喀痰中ムチンの臨床的意義

2023 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 21K16146
• 研究機関: 名古屋市立大学
• 研究代表者: 田尻 智子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (50854569)
• 研究期間 (年度): 2021-04-01 – 2024-03-31
• キーワード: 喘息 / 気道過分泌 / 誘発喀痰 / ムチン / 2型炎症

研究実績の概要

申請者らは、名古屋市立大学病院で進行中の単施設前向き観察研究「重症喘息における抗ヒトIL-4受容体α鎖抗体（IL-4およびIL-13選択的阻害薬）の有効性に関する包括的研究（UMIN000038669）」に関するデータを集積し（35例集積（目標症例数30例中））、データを解析し、重症喘息患者における気道過分泌の臨床的意義を確認するとともに、抗ヒトIL-4受容体α鎖抗体の投与によりより、気道過分泌の主観的指標である「咳および痰の質問票スコア」および客観的指標である「胸部CT解析に基づく粘液栓スコア」を有意に改善することを確認し、学会発表および論文作成を行い、国際誌に受理された（Tajiri T et al. Efficacy of dupilumab for airway mucus hypersecretion and airway wall thickening in patients with moderate-to-severe asthma: a prospective observational study. Allergol Int. 2024, Online ahead of print）。この観察研究の結果と申請者らの先行研究の結果（Tajiri T et al. Pathophysiological relevance of sputum MUC5AC and MUC5B levels in patients with mild asthma. Allergol Int. 2022 Apr;71(2):193-199）を踏まえ、本研究の目的である重症喘息患者の気道過分泌病態と誘発喀痰中ムチン（MUC5ACおよびMUC5B）の喘息病態および喘息コントロールへの寄与を明らかにすべく、名古屋市立大学病院で単施設横断的研究「重症喘息の気道過分泌病態における誘発喀痰中ムチンの臨床的意義に関する研究（UMIN000050456）」を実施し、目標症例数（50例）のデータを集積完了し、現在解析を行っている。今後、国際学会での結果発表と論文投稿に向けてさらに準備を進める。

研究成果

• [雑誌論文] Efficacy of dupilumab for airway hypersecretion and airway wall thickening in patients with moderate-to-severe asthma: a prospective, observational study (2024)
  • 著者名/発表者名: Tomoko Tajiri, Motohiko Suzuki, Hirono Nishiyama, Yoshiyuki Ozawa, Ryota Kurokawa, Norihisa Takeda, Keima Ito, Kensuke Fukumitsu, Yoshihiro Kanemitsu, Yuta Mori, Satoshi Fukuda, Takehiro Uemura, Hirotsugu Ohkubo, Masaya Takemura, Ken Maeno, Yutaka Ito, Tetsuya Oguri, Kenji Izuhara, Akio Niimi
  • 雑誌名: Allergology International 巻: Online ahead of print ページ: Online
  • DOI: 10.1016/j.alit.2024.02.002
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] 慢性副鼻腔炎合併喘息におけるdupilumabの臨床効果・臨床的寛解に関する前向き観察研究 (2024)
  • 著者名/発表者名: 田尻智子、鈴木元彦、西山裕乃、小澤良之、黒川良太、武田典久、鈴木達郎、伊藤圭馬、福光研介、金光禎寛、福田悟史、上村剛大、大久保仁嗣、竹村昌也、前野健、伊藤穣、小栗鉄也、新実彰男
  • 学会等名: 第73回日本アレルギー学会学術大会
• [図書] 内科総合誌 Medical Practice (2024)
  • 著者名/発表者名: 田尻智子
  • 総ページ数: 6
  • 出版者: 文光堂