研究課題/領域番号 |
21K16180
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 信彦 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80572552)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 近位尿細管 / 糖新生 / ホルモン調節 / インスリン / グルカゴン / SGLT2阻害薬 / アルドステロン / OXSR1 |
研究成果の概要 |
腎近位尿細管におけるグルカゴンの役割とSGLT2阻害薬の効果を研究した。ラットの単離近位尿細管を用いたex vivo実験では、グルカゴンによる直接的な作用が観察され、糖新生酵素mRNA(PEPCKとG6Pase)の発現増加を認めた。SGLT2阻害薬投与による反応性グルカゴン上昇と腎保護作用に注目し、アルドステロンがミネラルコルチコイド受容体を介して近位尿細管Na輸送に影響し、SGLT2阻害薬で抑制されることと見出した。また、糖尿病性腎症モデルラットでは、SGLT2阻害薬が高カリウム血症を抑制し、これにもTWIK1やTASK2が関与していることを示した。
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自由記述の分野 |
腎生理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腎近位尿細管の糖新生のホルモン調節は、受容体の存在から病態生理学的意義に至るまで不明な点が多い。近位尿細管におけるin vivoのグルカゴン作用には肝臓で産生されるcAMPが関与するという説が有力であるが、ex vivoでの検証では直接的な作用が確認された。また、SGLT2阻害薬は慢性腎不全にも適応が拡大された革命的な治療薬であり、投与時のインスリン感受性や血糖値の変動とグルカゴンの関与も示唆されており、本研究はその作用機序を明らかにし、治療効果を向上させる手がかりを提供することが期待される。
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