MYCを標的とした、モノソミー7を伴う難治性白血病に対する新規治療戦略の開発

2022 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21K16241
• 研究種目: 若手研究
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 松田 健佑 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40880175)
• 研究期間 (年度): 2021-04-01 – 2023-03-31
• キーワード: モノソミー7 / 合成致死 / MYC / エピゲノム

研究成果の概要

本研究は難治性である7番染色体のモノソミーを伴う白血病において、MYCを標的とした治療法の開発を目的とするものである。我々のグループでは合成致死の概念に基づいた治療標的スクリーニングを行い複数の標的遺伝子を同定し、それらがいずれもMYCの抑制を介して作用を発揮している可能性が示唆されていた。私たちは白血病細胞株や患者検体を用いて、MYC阻害療法が実際にモノソミー7白血病細胞増殖を阻害しうることを確認した。加えて、免疫不全マウスモデルにおける腫瘍細胞移植モデルにおいて、MYCの阻害が腫瘍の進展ならびにマウスの生存に寄与しうることを見出した。

自由記述の分野

血液腫瘍

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究では、難治性であるモノソミー7を伴う白血病の新しい脆弱性を明らかにした。加えて、本研究は、染色体欠失という事象に対して、新しい治療標的探索アプローチを提示する可能性がある。本研究が発展し、難治性白血病に対する新しい治療法の開発及び治療成績向上が期待される。