STAPファミリー分子がCML以外の白血病幹細胞の維持にも共通して必要な分子であるかをMPNモデルマウスや患者検体を用いて実臨床に近い検討を行い、MPN幹細胞をターゲットとした治療への基盤を築くことを目的としている。 まず、JAK2V617F knock-in mouseのBMをWT(B6J)マウスに移植するBMTモデルの作成を行い、MPNのフェノタイプが得られることを確認した。 次に、WT(B6J)マウス、JAK2TGマウス、JAK2TG/STAP2KOマウスの骨髄細胞を放射線照射マウス(B6ly5.1)に移植を行った。WTを移植したマウスに比べ、他の2つのマウスではMPNの表現型を認めていた。その二つを比較すると、JAK2TG/STAP2KOを移植したマウスではJAK2TGを移植したマウスに比べ、白血球数が多く、貧血、血小板減少の程度が強い傾向がみられた。JAK2TG/STAP2KOにおいて、LK分画の細胞の増加を認めた。STAP-2KOによりMPNの進行が促進されている可能性が示唆された。STAP-1に関しても上記と同様の実験を行い、JAK2TG/STAP1KOマウスの作成を行ったが、末梢血、骨髄細胞、脾臓細胞において、特に有意な差は認められなかった。CMLではSTAP-1が幹細胞で機能的な役割を担っていることが分かっているが、MPNに関しては、幹細胞分画においても異常を認めなかった。
|