ナノポア技術は、直径3μmの貫通孔を微生物が通過する際の電流-時間波形を計測し、AI識別を組み合わせることで、病原体を同定する新規の病原体検出技術である。それらの技術を抗酸菌の識別に適応し、迅速な抗酸菌診断が可能となる検査系の開発を目的とした。まず、貫通孔を通過する様子を直接顕微鏡下に観察する実験系を確立し、菌体が実際に貫通孔を通過する様子を視覚的にとらえることに成功した。培養条件を変え、通常の培養時間(約1週間~)よりも短期間でナノポア計測には十分な菌量が得られ、cluster形成を改善できた。安定的にcluster形成を阻害できるような培養条件の設定が課題になる。
|