本研究は、人獣共通感染症の原因細菌であるレプトスピラが脂肪組織に定着する機構を解明し、新規バイオマーカーを発見することを目指すものである。本研究ではヒト皮下脂肪組織のex vivo感染モデルを確立し、レプトスピラ感染によりヒト脂肪組織から複数のアディポカインが分泌されることを確認した。さらに、マウス由来脂肪前駆細胞株3T3-L1のin vivo感染モデルでは、病原性レプトスピラが脂肪分解を引き起こし、細胞外に放出されたグリセロールを炭素源として利用していることが示唆された。これらの結果は、レプトスピラ症の診断と治療に新たなアプローチを提供する可能性がある。
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