妊娠時の重度高中性脂肪(TG)血症は重症膵炎・胎児死亡などの重篤な合併症を生じる。高TG血症性膵炎は妊娠中の膵炎の原因の第一位であるが、現時点で確立した治療法はない。高TG血症は遺伝的素因に二次性要因が加わることにより増悪する。我々は本研究によりapoA-V欠損マウスはヒト妊娠時高TG血症モデルマウスとして有用であることを示した。また、apoA-V;SREBP-1c両欠損マウスでは妊娠末期のTG上昇が軽減されること、遺伝子発現解析によりこの機序を説明しうる遺伝子としていくつかの候補を見出した。これらの成果をもとに作成したマウスモデルを用いた治療法の検討をすすめている。
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