高脂肪食(HFD)を摂取すると、体重増加に先行してグリア細胞の活性化が生じ、その結果炎症が惹起され、ニューロンに機能異常が生じることで肥満形成の起点となることが知られている。肥満治療に用いられる運動療法は、HFD摂取に伴う視床下部炎症に対して抑制的に働くことが示唆されているが、その詳細な機序は明らかではない。本研究では、HFD投与下でマウス用ホイールを用いた自発運動を行い、運動負荷が脳内炎症に与える影響を検討した。自発運動をHFD摂取と同時に開始すると、体重は増加せず、視床下部および中脳腹側被害野の炎症が減弱した。自発運動は脳内炎症の減弱を介してエネルギー代謝を改善する可能性が示唆された。
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