現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)胃癌細胞株由来exoの機能解析:MKN1,MKN45,MKN45-GFPを用い、in vitroにおいてはcolony forming assayおよびcytotoxic assayを用いた解析を行なった。再現性に乏しく条件を整えていく必要があり、超遠心法でのexoの抽出自体に時間を要することから進捗はやや遅れているが、実験系は確立しており次年度結果を得られると考える。胃癌細胞株培養上清より抽出したexoに電気穿孔法でDocetaxelを内包させ、exo添加、薬剤添加の有無の4群をcytotoxic assayで評価し、Doce単独に比してDoce+exoでは治療抵抗性を高めた(p=0.002)。再現性の確認しかつ細胞株や薬剤を変化させ、さらなる知見を得る。in vivoでは、同所移植からの播種成立阻害に関し、MKN45-GFPの同所移植マウス(n=6)、i.pによる腹膜播種モデルマウス(n=9)に対しexo投与有無による腫瘍進展への評価を行ったが現時点では有意な結果を得られていない。しかしながら、in vitroの結果を元に条件と整え表現系を確認できる可能性が示唆される。(2)(3)胃癌PDX作成および細胞株の樹立に関し、前述のごとく作成数は目標に達していない。しかし、十二指腸癌や小腸癌など病態の近い癌種に関し同意のもとPDX樹立を経験し、また胃癌悪性腹水からの細胞株樹立にも着手しており、概ね順調と考える。(4)T.Tn, KYSE410, KYSE960を用い、normoxia(20% O2), hypoxia(1% O2)環境下の培養上清から超遠心法を用いたexo抽出を行い、Nanosightによる定量・粒子径変化への影響、内包miRNAの網羅的解析を行い、共通して変化する複数のmiRNAを同定できており、同様の手法で胃癌細胞株へ適応することが可能と考える。
|