研究課題
若手研究
本研究は、大腸がんのがん幹細胞でのPP6の役割を明らかにし、PP6を標的とする抗がん戦略の構築することを目的とした。その結果、大腸がん組織において、PP6発現が上昇していることが認められた。また、大腸がん細胞のPP6発現を抑制したところ、コロニー形成能やin vivoでの腫瘍増殖が抑制されることが認められた。そのメカニズムとして、PP6の発現抑制により、がん幹細胞マーカーの発現が低下することが認められた。以上の結果より、PP6ががん幹細胞の維持に重要であることが示唆された。
腫瘍生物学
本研究結果より、PP6が、がん幹細胞の維持に重要な働きをしていることが明らかになった。また、3種類存在するPP6の調節サブユニットの中でPP6R3ががん幹細胞の維持に重要であることが明らかとなった。今後は、PP6とPP6R3の結合の維持機構を明らかにすることで、がん幹細胞を標的とする抗がん戦略の構築が期待される。