当研究者らは近年、マイクロサテライト不安定な大腸癌において、TGFβ依存的な癌関連線維芽細胞の活性化を示すサブグループを報告した。本研究では、予後や治療効果(特に免疫チェックポイント阻害剤)の異なる大腸癌サブグループにおける免疫抑制性細胞群の意義に着目した。遺伝子発現解析および免疫組織学的検討により、TGFβによる間質活性化を示す大腸癌は、免疫抑制的なM2マクロファージ浸潤が高度で、免疫チェックポイント分子であるTIM-3が高発現であることを示した。また単球のTGFβ処理やM2マクロファージ分化誘導によりTIM-3発現が亢進することを見出した。大腸癌における抗TIM-3治療の可能性を示した。
|