本研究では、7テスラMRIを用いて肝切除後の門脈力学指標を解析することで過小グラフト症候群の機序解明を目指した。70%および90%肝切除ラットおよびマウスの切除後1週間の門脈血流変化を経時的に解析することが可能であった。さらに、門脈2枝分枝ごとの血流指標と対応する肝区域の容量変化との関連を評価し、肝容量当たり門脈血流量の一時的増加が門脈圧および最終的な再生肝容量と関連することが確認された。いっぽう、一般的に肝切除後には壁せん断応力が上昇するとされるが、門脈枝レベルにおいては壁せん断応力は肝切除後の変化は小さく、正常肝再生の過程においては壁せん断応力がトリガーとはなっていない可能性が示唆された。
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